琴【生田流箏】
琴【生田流箏】
生田流の箏は、山田流の箏と違い、裏穴の形状が瓢箪型です。
江戸が発祥の『山田流』と関西が発祥の『生田流』といわれています。
古くは、天文(1532-1555)時代に久留米の善導寺の僧、筑紫流創始者、賢順(けんじゅん)が明より7弦琴を学び、善導寺に伝わる寺院雅楽(筑紫楽)や寺院歌謡を整理し箏伴奏の編集をしたことから始まります。これは、後の筑紫箏、筑紫流箏曲と呼ばれ、北九州と江戸の佐賀藩人に伝承されて行きます。その後、筑紫善導寺の僧、法水に伝承された筑紫箏は、江戸へ下った法水によって八橋検校(やつはしけんぎょう)に伝えられ、八橋検校により近代箏曲の礎が築かれました。
ちなみに、検校(けんぎょう)とは、中世、近世の盲官(盲人の役職)の最高位です。八橋検校の死後、その業績を偲んで箏の形の堅焼き煎餅が配られたといわれ、これが京の銘菓『八ッ橋』のルーツとされています。
〜お琴の鑑定法〜
お琴の良し悪しを決める最も重要なものは、もちろん音なのですが、
音を聞かずとも、見た目でも鑑定する方法があります。
最も分かりやすい点は、裏穴から内部の彫り細工を確認する方法です。音の反響を複雑にするため、内部にはノミで細かい細工が施されています。職人の腕の見せ所の一つです。
より細かく、より複雑なものが高価なものです。
一番珍しく美しいものに、麻型彫り(通称ダイヤモンド彫り)があり、次いで子持ち綾杉彫り、綾杉彫りと続きます。
お稽古用のお琴に見られるものが、すだれ彫りです。
〜お琴のくり甲と並甲の違い〜
お琴の造りには、大きく分けて2種類の作り方があります。
一つは、『くり甲』と呼ばれています。裏板と甲の接着面を
互いに斜めに加工し、あたかも甲を刳り貫いているように見せています。実際は角につなぎ目があります。
もう一つは、並甲と呼ばれています。
裏板を簡易的に下から張り合わせた造りです。
主に、お稽古用のお琴に見られます。
お琴を横から見ると、裏板が見えない『くり甲』と
裏板と甲の張り合わせ面が見えてしまっている『並甲』の違いがよく分かると思います。
やはり『くり甲』の方が美しく、職人の美意識の高さが伺えます。
くり甲は、演奏会用のお琴や上級者用。並甲は、初心者用、お稽古用と区分けされているようです。
『くり甲』のお琴は、高価買取が期待できますが、『並甲』は、あまり高額査定は期待できません。
十七絃琴は並甲でも高価買取可能です。
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